平成13年1月15日高任のひ孫大島夏江様から電話が入り私が電話に出ると曽祖父高任、祖父道太郎、高任の母千代の写真が見つかったので歴史館に預けてもいいとの事であった。
特にも高任の母千代の写真は初めて見るものでどこにもないのではとの事であつた。私は、この貴重な資料をどこにも渡したくない一心でお宅にお伺いしお預かりさせて頂きたいと返事をし、1月26日の朝、大島家に向った。逗子駅からバスに乗り葉山御用邸前で降りたがその日の葉山は事のほか寒い日であった。警察署で大島家を聞き迷いながらも九時十五分に大島邸に着いた。インターホンを鳴らし門をくぐり、玄関に入った。夏江様が出て来たので釜石の鉄の歴史館の佐野ですと名刺を渡し挨拶した。その後、応接間に通され大島家にまつわるさまざまな話を聞いた。
その内容は文中で紹介することにする。夏江様の口調は、おしとやかで気品にあふれ人に対する心遣いが感じられその人間味に魅了され時間の経つのも忘れ午後1時半までお邪魔した。
夏江様にバス停近くの道路まで送って頂き大島家を後にした。子孫の話を直接聞き、大島高任の偉大さ、大島家をめぐる人々のすばらしさを改めて感じ、帰りの電車の中で何とも言えない気持が自分の中に湧いてきた。高任の顕彰館とも言うべき歴史館に勤務する一人として、高任没後100年の今年夏江様から聞いた事を中心に何とか書き記しておきたい気持にかられ家系図と、寄贈頂いた資料を参考にしてまとめて見る事にした。